ご挨拶
事務所開設にあたり思うところを申しあげます。
【西原先生の言葉】
学生時代、刑法の教鞭をとられていた西原春男先生(後に第12代早稲田大学総長に就任)のおっしゃったこと
「法曹を目指すことだけが法律を学ぶ目的ではない。しっかり勉強して社会の中でそれぞれの立場でここで学んだことを市井の法律家として役立ててもらいたい。(趣旨)」当時は、「何、それ」という感じで素直に聞けませんでしたが、市役所で仕事をしている間、折に触れ思い出すのでした。
学生時代の勉強は、授業を聞きながら基本書を読み込み、言葉や無味乾燥な活字から法律をめぐる具体的な世界をイメージしていくといった作業の連続でした。
実体験のない中これを繰り返すにはかなりの忍耐力が必要でした。
結局分かったとか面白いとかには至らず消化不良で終わり、ただ、、少々法律の知識が増えたかなという程度でした。
【行政等実務経験】
戸籍・住民票・外国人登録・身分証明
官民境界協定
姫路市民の安全と安心を推進する条例の条例制定事務(日本初の暴走行為期待族の規制条例)
高照度防犯灯や特設防犯灯補助制度の新設
土地改良法に基づく土地改良区の設置認可や指導、補助金交付決定事務 事業計画認可申請等
都市再開発法に基づく都市再開発組合の設置認可、指導事務
市町村合併特例法に基づく1市4町合併推進
個人情報保護条例、情報公開条例の運用
公益通報制度の運用
条例・規則・要綱等の審査
会計出納事務
一般財団法人、公益財団法人、公益社団法人の運営管理
その他多数
【行政の仕事/感じたこと】
仕事は、市民の方々の生活の必要や安定などについて、お話を伺いながら手続き上円滑に進めていくのが目的です。
法令や施策を実際に運用しながら満足感を高め安心安全の環境を実現していくということがテーマとなりました。
業務の大部分は事実行為ですが、手続き事務も多いです。
それは定型化されていますので淡々と進みます。
しかし、ときには現実や実態にそぐわずこれでいいのかという事態にも遭遇します。
ルールはそうなっているかもしれないが、これって分かりにくいのでは?もっと分かりやすくできるのでは?などとと思うところもありました。
仕事の進め方ですが、先ずは現在のやり方を受け入れ理解することから始まります。
そ の生い立ちや目指すところは何か、今の手続きや制度は、現状や実情、実態に十分対応できているのだろうか、不具合はないか、改善できることはないかなど自分なりに考えていきました。
何もなければそのまま継続し、何かあるのなら機会をとらえては改善されるよう心がけていました。
職場では公式、非公式で職員研修が盛んに行われています。
外部講師を招くことが多いですが、職員が講師となることもあります。
私は、地方公務員法や地方自治法などの講義、全国初となる条例が制定されたときには東京にある研修機関で講義するという機会にも恵まれました。
これらを通じて法令の成り立ちやと実務との関係などについて常に考えるという習慣ができたように思います。
西原先生の言葉への違和感は消えていきました。
学生時代に聞きかじってことは決して無駄ではなかったとありがたく受けれるようになっていました。
【仕事は作品づくり、熱意、創意、誠意で臨む、 そして背を向けないこと】
仕事にやりがいを感じるようになりました。
仕事はやるというのは、自分の「作品」を作るようなものと思います。
全体を眺め課題を整理し、解決に向け構想し、手順を考え組み立てていき、最後に出来栄えを見る。
出来栄えが良ければ、一人孤独に満足感にひたり、達成感を味わうといった感じでしょうか。難しければ難しいほどそれが大きいものとなります。
基本姿勢は、何事に対しても熱意、創意、誠意の三意をもって臨むことです。
仕事を続けることに迷っていた時期もありましたが、だんだん楽しくなり、そんなときに目にしたのがこの言葉です。
性格は、いたって真面目で実直、忍耐力もあります。
真面目では、生真面目すぎる、もっとくだけよと言われたものです。
実直は、人の話をよく聞き誠実に全力で対応してきたことかなと思います。愚直とさえ言われたこともあります。
忍耐力は、とことん頑張ってしまうこと、難題に遭遇したときにはいつの間にか自分が最前線に立っているということもよくありました。しつこく諦めない性格で凌ぐことができたと思っています。
【行政手続は複雑化するばかり】
行政手続きは、アナログから電子化するなど時代の要請を受けて徐々に変化しています。
そこでは、手続きの簡潔明瞭化、市民の負担軽減、行政の効率化など沢山の目標がありますが、市民の目から見た場合、良くなったこともあればもそうとはいえないこともあります。
社会の様々な要請に応えるため行政事務には、公正性、公平性、適正性や正確性などを保障する手立てが講じられています。
その結果、新たな条規が制定されたり、記載内容が増えたり、添付文書が増えたりという現象も起こりがちです。
ところで姫路市例規集という加除式の3巻の条例や規程、要綱などをまとめた資料があるのですが、退職のころには厚みが1.5倍位、幅30p?位になっていたかなと思います。(計ったわけではありません。)
随分ぶっとくなったなあとしみじみと思いました。
専門家ならいざ知らず市民にとっては、年に数回程度・以下の手続きです。
難易度が上がります。
やむを得ないとは思いつつも複雑で難しく生きづらい時代だなあ、法三章の時代の方がゆったりと人間的な生活ができたかもなどと思うこともありました。
これは人間にとって進歩なのでしょうか?
【老いや死に直面して】
これらは、この世に生を受けたかぎり、誰しもがいつかは迎えることとなります。
精神的にも肉体的にも精神的にも、また経済的にも大きな負担となります。
そのような中でも慣れない複雑な粛々と手続きを進めていかなければなりません。
親の死であれば、相続のため遺産分割協議書の作成、金融機関とのやり取り、不動産の相続登記、相続税の申告など手続きが押し寄せます。
高齢の親を抱えていれば、将来に向けて介護や費用の確保策を講じることも必要となるでしょう。
私自身、このような事態に遭遇してきました。
そのたびに専門家に任せようか迷いつつも、どれだけ難しいものなのか、どれほどのボリュームなのか、どれくらい時間がかかるものなのか知りたいという興味の方が勝って、自分でやってみました。
手続きは難解で複雑、時間もかかりました。
自分でやれないことはないですが、積極的に勧めらるものでもないと思いました。
【気力は十分、お役に立てればと】
私、行政手続きについては、手続きを管理する方の立場と行う方の立場、その両方を経験してきました。これまでの経験を生かし皆さんのお役に立ちたいと強く思っております。
情報があふれる中様々な心配や不安を感じらえることもあろうかと思います。が、そうでもないことも多いのです。親切、丁寧をモットーにしっかり対応してまいります。お客様と悩みを共有しながら解消に向け頑張りたいと思っております。
お気軽にお声がけください。お待ちしております。